人が暮らすうえで欠かせない「住環境」の悩みや不安などを解消してくれる頼れる存在として、お客様に本当に満足してもらえる商品やサービス、ノウハウを提供し続けている㈱カワノ様。
【前編】では、会社としての歴史やあゆみとともに、Webサイトのリニューアルについてのきっかけなどについて伺いました。【後編】では、実際に弊社でのWebサイトリニューアルを決めてから、そしてリニューアル後の効果や今後の展望などについて語っていただきました。
目次
Webサイトリニューアルの焦点は「事業の絞り込み」
衞藤:実際にWebサイトをリニューアルするプロセスの中で、「どんなターゲットに届けるか」という点は、事業の方向性にもかかわる大きな流れだったと思います。カワノさんの場合、インテリア、リフォームなどいろんな専門性があるなかで『耐震』に絞ってWebサイト作りをおこないましたが、その点はどうでしたか?
会長:うちのやっている事業は、スタッフみんなの努力と能力のおかげでどれも高いレベルです。なので最初はホームページ上で情報発信するにあたっても、絞り込むのではなく、いろいろ情報を発信したいという想いは正直ありました。もちろん、それではターゲットもブレるし、結果的にお客様にうちの強みや魅力が伝わらないという意見も理解はしていたんですけど。私の感情的に1個に絞る寂しさや、もったいなさみたいなのもありました。
お客様から選ばれるために自らも「選ぶ」
衞藤:でも吹っ切られましたよね?
会長:アールさんとミーティングを重ねながら、これからの事業を考えたときに、もちろんどの事業も大切ですが、そのなかでも絞り込むことは今後の経営にも大きく影響すると思ったんです。「選ばれることは選ぶこと」だと。
社長:これまでずっとお客様にも伝えてきた「住まいのことトータルでやります」というような発信の仕方のままだと、他社と横並びで選ばれないし、結果うちのやっていることが伝わらないんです。であればホームページからの入口は、インテリアやリフォームなど各事業の強みのなかで、どれかに焦点を絞って他社との差別化を図りながら集客せねばとなって、『耐震』に絞ろうとなったんです。
会長:「耐震ならカワノ」と言われるようなホームページをつくろうと。
リニューアル後の効果・反応について
衞藤:事業やターゲットの見直しをしつつ、『耐震』に絞ったWebサイトにリニューアルされて約3年になりますが、効果などはどんなふうに感じていらっしゃいますか?
社長:初めてのお客様などと接するときも「Webサイト見てきたんだろうなぁ」って感じることがちょくちょくあります。
衞藤:どんな点で「見てきているんだろうなぁ?」と感じるんですか?
社長:例えばWebサイトで発信している用語(ワード)が、サラッとお客さんの口から出てきたりすると、チェックしてくださっているんだなぁって。
会長:耐震のお客様は本当に事前にWebサイトをチェックしている方が多いです。ご年配のお客様は自らチェックしてはいなくても、子どもさんとかご家族が見てきているように感じます。もうひとつは耐震診断や耐震改修のことを役所や友人知人に聞いたりして、最後にうちにたどり着いた、という人も多いです。
社長:地震があるとやはり皆さん不安になりますもんね。それで役所に聞いてみたりいろいろ調べてみたりしたけどよくわからなくって、ようやくうちにたどり着いた、みたいな人が多かったですね。うちとしてはその流れというのはとてもありがたいんですよね。耐震において、どこにも負けないくらいの実績とノウハウを発揮できますから。
衞藤:ペルソナ設定でもそういった人物像を設定しましたね。ドンピシャな感じですね。ペルソナ像を突き詰めて描いて、ユーザーのストーリーもたてて、ご一緒にWebサイトリニューアルできて本当によかったなと、お話聞いて改めて思います。
社長:ぼくは結構同業他社さんのホームページを見るんですよ。でも、どこも何となくわかるなぁという感じで、いまいちぼんやりとした表現をしているところが多い。だから、うちのWebサイトってしっかりターゲットも絞れてるし、良い意味でとがってるなって思っています。
リアリティあるコンテンツを継続的に発信することで、Webサイトの効果を実感
衞藤:『耐震』をメインとする振り切ったWebサイトを作りましたからね。多分その「絞り」がなければ、他社と同じようなサイトになっていたかもしれません。それとカワノさんはやはり、ちゃんと「事業としてWebサイトのコンテンツを作ることに取り組まれてる」という点は大きいと思います。実際にリニューアル前と後では、検索結果も変わって、今は【耐震 大分】でも上位に表示されていますよね。受注など具体的なアクションはいかがですか?
社長:受注は明らかに増えましたし、1件あたりの受注単価も増えました。
衞藤:今も継続的に作っている「家の耐震コラム」や、リフォームをされたお客様の声を紹介した「お客様の声」のページは、かなり読み込まれているコンテンツですしね。
社長:お客様のインタビューの記事など、結構文章量も内容も多くて、最初はアールさんにも「本当にこれ読みますかね?」って尋ねるくらい疑心暗鬼でしたもんね(笑)。でもこれが本当に、お客さんは読んでいるんですよね。驚きました。
衞藤:ああいった実例のインタビュー記事やコラムは、リアリティが高いのでユーザーの悩みや興味をそそると思いますし、Webサイトの滞在率も高いので、SEO的にも効果的です。
会長:本当にみなさんよく読んでるなぁと感心します(笑)。ありがたいです。
中小企業だからこそ、「Web担当者」というポジションをあえてつくった
衞藤:カワノさんは、Web担当者さんをつけられていますよね。多くの中・小規模事業者さんは、社長さん自らだったり、代表者がWebまわりもやっているケースが多いので、ケースとしては珍しいんですよ。
社長:そうなんですか!?
衞藤:他の業務を優先させる会社さんがほとんどです。カワノさんでは、なぜWeb担当者さんをつけられたんですか?
社長:せっかく時間もお金もかけて作ったからというのもありますが、Webサイトで検索して調べる行動自体、物心ついたときから日常にある若い世代のスタッフにまかせたほうがいい、というのが一番の理由です。検索が普通に生活の一部にあって、そういった感覚をそもそも持っている人がWeb担当者をやらないとダメだろうなと。
Webサイトの今後と課題
衞藤:Webサイトの運用をされていくなかで、Webサイトに期待する部分や課題、さらにやっていこうと思っていることなどありますか?
社長:これはウチの悪いところなんですけど、Webサイトをリニューアルして、効果も実感しているところもあるからか、現状に満足して「このままいってくれたらいいかな」みたいな感じになっていて(笑)。そこが課題ですかね。
衞藤:お客様もかなり見てくださっていますもんね。
会長:今後も、コラムやお客様の声は継続していくのはもちろんですが、今後やりたいのは採用のページを作りたいと考えています。今、スタッフはとにかく忙しくて人材不足の状態なので。「こんなところで働きたい!」となるようなページを作りたい。それが今うちに不足している点でもあると思うので。
社長:今はありがたいことに耐震、リフォーム、不動産と、お問い合わせや受注をたくさんいただいています。それに伴ってスタッフみんな頑張ってくれているんですが、何せぼくらの仕事は手間暇かかる仕事なので、人材が足りない状況です。採用情報もとりあえずのページは作っていますが、やっぱりちゃんと作り込んでいきたいですね。「この会社でお客さんに喜ばれるようなことをやってみたい」って思えるようなページを作りたいです。
衞藤:いいですね。今後、不動産事業も拡大していくことを視野に入れると、若い人材は不可欠ですもんね。
社長:そうなんです。リフォームや耐震のノウハウを活かして、今後は建売住宅のほうもやっていきたいと思っているので。子育て世代のお客様のニーズを汲み取れる、若い世代のスタッフは必要だと思っています。
大企業でも、中小企業でもなく。カワノにしかない「らしさ」を今後も貫きたい
衞藤:たくさんお話し聞かせていただきましたが、今後も各事業に対していろいろな取り組みをされていくと思いますが、その中で今後も大切にしていきたいことなどありますか?
社長:うちは大企業に真正面から対抗とかはできません。でも「中小企業だから無理」ってあきらめたりせず(できることや可能性はあると思っているので)、その「できること」に務めなければなと思っています。
会長:うちの会社は毎年仕事始めの時に新春会議というのをやっているんですが、その時にうちの理念として「親切」であることを大切にしたいと言っています。
社長:これはウチの会社が長年守っている伝統というか考えですね。やっぱりお客さんに対してはもちろんですが、誰に対しても「親切」を忘れてはいけないと。「親切」を忘れなければ、絶対に自分たちに返ってくるし。
会長:実際に創業してからお客様のなかには、5年、10年後に再びご縁のある人もいれば、代々ご家族でご利用いただいている方もいらっしゃいます。そういった長いお付き合いをさせていただけているのも、「親切」な心を忘れずにお客様の要望にこたえてきたからだと思っています。
衞藤:少数精鋭での中小企業の取り組みも、Webサイトを着実に運用することで、大企業と同じ土俵にあがることも可能だと考えています。地方の中小企業ならではの知見やスキルってあるじゃないですか。それを形成することで選ばれる可能性は充分にあると思いますし、都心部、地方と、地域も選ばずに事業展開できるチャンスは今後さらに広がるはずです。
カワノさんは、限られたリソースのなかでWebサイトを着実に活用されているローカル企業の一社だと思います。ぜひ今後も一緒にWebサイトの運用を手伝わせていただきながら、御社の「親切」な事業づくりのお手伝いをさせていただければと思います。
今日はありがとうございました。