仕掛け⑤:【行動喚起】迷わずスムーズに問い合わせへ導く「戦略的ナビゲーション」
これまでの①②③④と、4つの仕掛けによってあなたのホームページは、質の高い見込み顧客を集め、信頼を獲得し、製品・サービスの価値を伝え、疑問や不安を解消する力を備えてきました。
訪問者の心は、かなり「問い合わせ」や「資料請求」といった次の行動へと傾いているはずです。しかし、ここで最後の詰めが甘いと、せっかく高まった意欲も水の泡になりかねません。最終的に、お客様に具体的な行動を起こしてもらうこと。これこそが、「売れるホームページ」が目指すゴールです。
どんなに素晴らしい情報が満載のホームページでも、「で、結局どうすればいいの?」「どこから問い合わせればいいの?」とお客様を迷わせてしまっては意味がありません。「売れるホームページ」は、お客様が次に取るべき行動を明確に示し、迷うことなくスムーズにゴールへと導く「優秀なナビゲーター」でなければならないのです。
このお客様を導く役割を担うのが、「戦略的なナビゲーション」設計です。具体的には、訪問者の背中をそっと押し、行動を促すための「CTA(Call to Action:行動喚起)」の工夫や、入力のストレスを最小限に抑え、離脱を防ぐ「問い合わせフォームの最適化(EFO:Entry Form Optimization)」などが挙げられます。
せっかく興味を持ってくれたお客様を、最後の最後で逃さないために。このセクションでは、訪問者をスムーズに「問い合わせ」や「資料請求」といった具体的な行動へと導くための、効果的なナビゲーション設計のポイントを詳しく解説していきます。
【これまでの記事】
- 仕掛け①:【集客】狙った見込み顧客を自動で引き寄せる「戦略的コンテンツSEO」
- 仕掛け②:【信頼】初めての訪問でも安心感を与える「会社の顔」としてのデザインと情報
- 仕掛け③:【価値伝達】製品・サービスの魅力を最大限に伝える「Web上のプレゼンター」
- 仕掛け④:【疑問解消】潜在的な不安を取り除き、安心を提供する「先回りサポート」
目次 [非表示]
5.1 クリック率が変わる!効果的なCTA(行動喚起)ボタンのデザインと配置
ホームページを訪れたお客様に、最終的に「問い合わせ」や「資料請求」といった行動を起こしてもらう。そのための「最後の一押し」となるのが、CTA(Call to Action:行動喚起)ボタンです。
どんなに魅力的な情報を提供しても、お客様が「次に何をすれば良いか」が分からなければ、せっかくの機会を逃してしまいます。「ここをクリックすれば、あなたの課題解決に繋がりますよ」と、明確かつ魅力的に道を示すのがCTAボタンの役割なのです。
「たかがボタン一つで、そんなに変わるものか」と思われるかもしれません。しかし、このCTAボタンのデザインや配置、そして書かれている文言(コピー)を少し工夫するだけで、クリックされる確率(クリック率)が驚くほど変わることがあります。クリック率が変われば、当然、その先の問い合わせや資料請求の数にも影響します。まさに、成果に直結する重要な要素なのです。
では、思わずクリックしたくなるような効果的なCTAボタンは、どのように作れば良いのでしょうか。いくつかのポイントに分けて見ていきましょう。
心に響く「文言(コピー)」を選ぶ
ボタンに書かれている言葉は非常に重要です。「送信」「クリック」といった単なる動作を示す言葉ではなく、お客様がそのボタンを押すことで何が得られるのか、具体的な行動を示す言葉を選びましょう。
例:
「資料請求する」
「無料相談を予約する」
「今すぐ見積もりを依頼する」
「限定デモを体験する」
さらに、ボタンのすぐ近くに「マイクロコピー」と呼ばれる短い補足文を入れるのも効果的です。「〇〇でお悩みの方へ」「今なら〇〇特典付き!」といった言葉で、ボタンを押すメリットを強調したり、不安を取り除いたりすることで、クリックへの後押しとなります。
思わず目が行く「デザイン(色・形・サイズ)」
CTAボタンは、ページの中で適度に目立つ必要があります。周りのデザインに埋もれてしまっては、お客様に見つけてもらえません。
- 色
背景色や他の要素とは対照的な、目立つ色を選びましょう。ただし、ホームページ全体のデザイントーンやブランドイメージとの調和も大切です。
- 形・サイズ
クリックしやすいように、ある程度の大きさを確保しましょう。角を丸くするなど、親しみやすい形にすることも有効です。スマートフォンでのタップしやすさも考慮が必要です。
最適な「配置場所」を見極める
CTAボタンをどこに置くかも、クリック率を左右する重要な要素です。
- ファーストビュー(最初に表示される画面)
ページを開いてすぐに目に入る場所は、最も重要な配置場所の一つです。
- コンテンツの区切りや末尾
情報を読み進め、関心が高まったタイミングで行動を促します。
- 追従(追尾)ボタン
画面をスクロールしても常に画面の隅などに表示されるボタンは、お客様がいつでも行動を起こせるようにするのに役立ちます。
ただし、これらのポイントはあくまで一般的なセオリーです。あなたのビジネスやターゲット顧客にとって本当に効果的なCTAは、実際に試してみなければ分かりません。
そこで有効なのが「A/Bテスト」です。ボタンの色や文言などを少し変えたパターンをいくつか用意し、どちらのクリック率が高いかを比較検証するのです。
地道な作業ですが、こうしたテストと改善を繰り返すことで、より効果の高いCTAを見つけ出すことができます。実際に、ボタンの文言を少し変えただけでクリック率が大幅に改善した、という事例は数多く存在します。
たかがボタン、されどボタン。CTAボタンは、お客様をゴールへと導くための最後の、そして最も重要な道しるべです。お客様の気持ちになって、「これなら押してみたい!」と思えるようなCTAボタンを目指して、ぜひ様々な工夫を試してみてください。
5.2 入力完了率UP!問い合わせフォーム最適化(EFO)の実践テクニック
魅力的なCTAボタンが功を奏し、お客様が「問い合わせてみよう」「資料をダウンロードしてみよう」とクリックしてくれた…しかし、そこで表示された入力フォームを見て、「うわっ、入力項目が多いな…」「なんだか面倒くさそうだ…」と感じ、入力途中で諦めてしまう(離脱してしまう)ケースは、実は非常に多いのです。これは非常にもったいない、「あと一歩」での機会損失と言えるでしょう。
お客様に最後までスムーズに入力を完了してもらうための工夫、それが「EFO(Entry Form Optimization:入力フォーム最適化)」です。ここでは、お客様の入力ストレスを軽減し、「これなら簡単に入力できそうだ」と感じてもらうための、具体的な実践テクニックをご紹介します。
入力項目は「必要最低限」に絞り込む
これがEFOの最も基本的な、そして最も効果的な考え方です。お客様は、できるだけ手間をかけたくありません。「本当にこの情報は必要なのか?」という視点で、入力項目を一つひとつ見直しましょう。
特に、必須項目と任意項目を明確に区別し、必須項目は極力少なくする努力が重要です。後からでも聞ける情報は、思い切って削る勇気を持ちましょう。
入力しやすさをサポートする工夫
お客様が迷わず、ストレスなく入力できるよう、細やかな配慮をしましょう。
- リアルタイムエラー表示
入力ミスがあった場合に、どの項目が、どのように間違っているのかを、入力中にその場で分かりやすく表示します。「送信ボタンを押したらエラーだらけ…」という状況は、お客様のやる気を一気に削いでしまいます。
- 入力補助機能
郵便番号を入力すると住所が自動で入力される、全角/半角を自動で変換するなど、入力の手間を省く機能は非常に喜ばれます。
- プレースホルダーの活用
入力欄の中に、「例:山田 太郎」のような入力例(プレースホルダー)を表示することで、何を入力すれば良いか分かりやすくなります。
スマートフォンでの入力しやすさを徹底
今や、スマートフォンからのアクセスは当たり前です。パソコンでは問題なくても、スマホでは入力しづらいフォームは敬遠されます。
- タップしやすいボタン
送信ボタンなどが小さすぎると、指で押しにくくなります。十分な大きさを確保しましょう。
- 適切なキーボード表示
電話番号の欄では数字キーボード、メールアドレスの欄では英語キーボードが自動で表示されるように設定するなど、細かな配慮が入力の快適性を高めます。
- 安心感を与える要素
フォーム入力は個人情報を扱うため、安心感を与える工夫も大切です。
- セキュリティ表示
「SSLで暗号化されています」といった表示で、セキュリティ対策をアピールしましょう。
- 所要時間の目安
「入力は1分で完了します」のように、かかる時間の目安を示すと、心理的なハードルが下がります。
これらのEFO施策は、専門的なツール(EFOツール)を活用することで、より効率的に分析・改善を進めることができます。ツールによっては、どの項目で離脱が多いかなどを分析する機能も備えています。
そして、忘れてはならないのが、入力完了後に表示される「問い合わせ完了(サンクス)ページ」です。
「お問い合わせありがとうございました」というメッセージだけでなく、「〇営業日以内に担当者よりご連絡します」といった具体的な次のステップを示したり、関連するお役立ち情報へのリンクを掲載したりすることで、お客様の期待感を維持し、さらなるエンゲージメントに繋げることができます。
問い合わせフォームは、お客様との最初の具体的な接点となる重要な場所です。一つひとつの小さな改善が、入力完了率の向上、そして最終的な成果へと繋がっていきます。お客様の立場に立って、「これなら私でも簡単に入力できる」と思えるような、親切でストレスのないフォームを目指しましょう。
5.3 ゴールは一つじゃない!多様なニーズに応える複数の受け皿
さて、効果的なCTAボタンと、入力しやすい問い合わせフォームを用意することで、お客様が行動を起こすための道筋はかなり整備されました。しかし、ここで一つ立ち止まって考えてみましょう。
すべてのお客様が、同じゴール(例えば「問い合わせフォームからの連絡」)を目指しているとは限りません。お客様の状況や性格、抱えている課題の緊急度によって、求めている連絡手段や次のステップは様々です。
「すぐに詳しい話を聞きたいから、電話で問い合わせたい」
「まずは気軽に、ちょっとした質問だけしたい」
「正式な問い合わせはまだ早いけど、とりあえず資料だけ見てみたい」
このように、お客様のニーズは多様です。
「売れるホームページ」は、こうした多様なニーズに応えられる複数の「受け皿(ゴール)」を用意しておくことで、より多くのお客様との接点を生み出し、取りこぼしを防ぐことができます。まさに、お客様一人ひとりに合わせた戦略的なナビゲーションと言えるでしょう。
具体的に、どのような「受け皿」を用意できるでしょうか。
問い合わせの種類に応じた導線設計
CTAボタンや問い合わせページへのリンクを、「お問い合わせ」の一つにまとめるのではなく、お客様の目的に合わせて複数用意します。
例えば、
- 「詳しい資料が欲しい」お客様には「資料請求」ボタンを
- 「具体的な費用を知りたい」お客様には「見積もり依頼」ボタンを
- 「まずは相談してみたい」お客様には「無料相談を予約する」ボタンを
といった具合です。目的が明確なボタンは、お客様にとってクリックしやすく、迷いを減らす効果があります。
電話番号の掲載とクリック発信機能
Webフォーム入力が苦手なお客様や、今すぐ疑問を解決したいお客様にとっては、電話が最も手軽な連絡手段です。
ホームページの目立つ場所(ヘッダーやフッターなど)に電話番号を明記し、特にスマートフォン表示の場合は、番号をタップするだけで電話がかけられる機能(telリンク)を設定しておきましょう。これは非常に簡単で効果的な施策の一つです。
多様な連絡手段の提供
電話やフォーム以外にも、お客様が使い慣れている、あるいは心理的なハードルが低いと感じる連絡手段を用意することも有効です。
- メールアドレス
直接メールで連絡したいお客様のために、メールアドレスを掲載します。(ただし、スパム対策は別途必要です)
- LINE公式アカウント
若い層や、よりカジュアルなコミュニケーションを好むお客様向けに、LINEでの問い合わせ窓口を設けるのも良いでしょう。
- チャットボット/Webチャット
簡単な質問であれば、24時間対応可能なチャットボットで自動応答したり、オペレーターがリアルタイムで対応するWebチャットを導入したりすることも、顧客満足度向上に繋がります。
もちろん、むやみに多くの連絡手段を用意すれば良いというわけではありません。自社のターゲット顧客層や、対応できる社内体制を考慮し、最適な「受け皿」を選択・設計することが重要です。
大切なのは、「お客様にとって最も便利な方法は何か?」という視点を持つことです。
問い合わせフォームだけでなく、多様なニーズに応える複数のゴールを用意し、それぞれの導線を分かりやすく示すこと。それが、お客様の最後の行動を力強く後押しし、あなたのホームページを真の「売れる営業マン」へと成長させる最後の鍵となるのです。
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