前回の記事で本当に優れたデザインのホームページとは次の2つのことを意識したホームページであることについて書きました。
- 「ホームページが使うもの(プロダクト製品)であることを意識していること」
- 「作る目的が明確で、何を伝えるかを意識していること」
今回の記事では、この2つの意識が重要である理由を例えや実例を交えながら考察していきたいと思います。
目次
そもそもホームページのデザインってなんだろう?
今やデザインという言葉は私たちの生活において得体の知れない言葉ではなくなったように思います。
何かを作ったり、設計したりする行為に対してデザインという言葉が用いられることが身近に感じられるようになりました。
ライフデザイン、ネイルのデザイン、家のデザイン、ヘアースタイルのデザイン、洋服のデザイン、都市のデザイン、建築のデザイン、本のデザイン、家具のデザインなどたくさんのデザインという言葉に囲まれて生活しています。それは目に見えるものをかたちづくるデザインから、目に見えないものをつくるデザインまで含まれています。
ホームページのデザイン(Webデザイン)も数多くあるデザインの中の一つです。
次のセクションでホームページのデザイン(Webデザイン)と、グラフィックデザインの違いからホームページのデザインを考えていきたいと思います。
グラフィックデザインとホームページのデザイン(Webデザイン)の違い
グラフィックデザインと、ホームページのデザイン(webデザイン)を比較しながら考えてみましょう。
物質 | 紙や看板など触れるもの | データ(htmlやphp)触れない |
---|---|---|
期間 | 短 | 長 |
制作に関わる人 | アートディレクター、デザイナー、印刷会社 | webディレクター、webデザイナー、フロントエンドエンジニア、プログラマー |
用途 | プロモーション、サイン、ブランディング、パッケージなど | プロモーション、ブランディング、メディア、コミュニケーションなど |
情報との距離 | 目で見る | 目で見る、手で操作する |
宣伝方法 | 配る、貼る | 検索、サイト上の広告 |
まだまだ地方においては、ホームページは会社案内のパンフレットの延長線上にあるものと捉えられていることも多いですが、上記表で比較すると分かるように似て非なるものです。
特に違うポイントは「ブラウザ上でサイトを操作し、自分で探し、目で見て情報を受け取る」という点です。グラフィックデザインも「視導」へ配慮し、次のテキストやページへの導線を考えるという点においては同じですが、「操作する」「検索する」という能動的な行動はありません。
ホームページのデザインとグラフィックデザインの違いは、能動的であるか受動的であるか、その違いは大きいのではないでしょうか?
ホームページは建築に似ている
家の建築を例に考えてみましょう。
あなたは念願のマイホームを建てることになりました。
「とにかくカッコいい家を設計してください!・・・」
もちろんカッコいいに越したことはありません。ただそれだけでいいでしょうか?
- どんな場所に建てますか?
- どんな素材を使うんですか?
- かっこいいけど壊れやすい素材でもいいですか?
- 毎日住むんですよ。
- 家族はこれからも増えますか?
- 住む家や場所で家族の人生が変わりますよ。
考えることはたくさんあります。
ホームページも同じです。
デザインと同時に考えるべきことがたくさんあります。
今だけではなく、運用のこと、更新のこと、これからの展開など、いろんなことをバランスよく考えなければなりません。目的について考えましょう。
使いやすいかそうでないか・・・考える必要があります。
SEOやユーザビリティ、ホームページをつくる目的などいろんな角度から考える
SEO
大きな予算があり、多くのメディアを使ってプロモーションできるなら問題ありません。SEOは必要ないかもしれません。web広告だけで事足りるでしょう。
しかし、ホームページで集客したい、売りたい場合は違います。ユーザーは「検索」してやってきます。まずは入口がなければどこにも行けません。
コンテンツ
ショートケーキが食べたくてお店に入ったのに、和菓子しかなかったらどうでしょうか?
サイトも同じです。
検索して入ったサイトに自分の欲しい情報が何もなければどうでしょうか?
すぐに離脱して違うサイトを探すでしょう。
検索ワードにあったコンテンツを作る必要があります。
ユーザビリティ
サイトの読み込みが遅いと離脱するユーザーも少なくありません。
“3秒以上かかると40%以上のユーザーは離脱する。”
参考)https://www.suzukikenichi.com/blog/website-performance-optimization/
ただ情報を伝えるだけでなく、ユーザーについても考える必要があります。
画像のフォント、美しいが重たすぎる写真、クリエーターの心をくすぐるだけの派手な動き、かっこよすぎてどこを触ればいいか分からないサイト、あれもこれものせて肝心の伝えたいことが伝わらない…あなたがサイトをつくる目的にあっていますか?
優れたホームページのデザインって何だろう?
かたちは一つではありません。ハイセンスでもいいんです。少し田舎っぽくてもいいんです。ちょっと冷たくてもいいんです。少し厚かましくてもいいんです。ちょっとダサいのもありだと思います。
「目的に合わせてデザインを最適化し、なおかつターゲットのレベルに最適化した操作性を持つホームページ」
それが優れたホームページのデザインであると考えます。